
今年のNHKの大河ドラマ『豊臣兄弟』、先週は竹中直人演じる松永久秀が爆発炎上する部屋の中で「何が本物で何が偽物かなど、そんなものはどうでもいい。」と兄弟に向かって言い放つ、それこそ”怪気炎”を上げながら爆死してゆくという実に印象深いシーンがあった。
その前段でも「〇〇と言ったら、信じるか?」というセリフも印象に残った。
竹中直人という人は、笑いながら怒るという芸以来のファンで、ずっと楽しませてもらっている。
あの頭の形といい、ギョロメ、そしてあの美声。
美声、あの美声があるからこそ、怪演が映える。
私にとって唯一無二の怪優だ。
怪優といえば、まずはバットマンリターンズのペンギン役のダニー・デヴォート、マスクのジム・キャリー、あとはMr.ビーンのローワン・アトキンソンが思い浮かぶ。
ジャック・ニコルソンやウィレム・デフォーも怪優というようだが私のイメージとはほど遠い。
一方、日本人の怪優というのをネットで探すと三國連太郎や香川照之、柄本明などの名前が挙がるがやっぱりなんとなく違う。
シリアスな演技が似合っては怪優とは言えない。
竹中直人以外では、北野武ぐらいしか思い浮かばない。
戦場のメリークリスマスでのハラ軍曹の快演は素晴らしかった。
まあ、そんなのは人それぞれの好みだから、どうでもいい。
私にとっての怪優とは、演技が上手いのは当然として、デビュー作、出世作のイメージが強烈で、ずっとそのイメージがついて周り、そしてそのイメージを自らのキャラクターとして取り除こうとしない俳優。
もちろんそのどこからどこまでが本人そのものなのか、演技なのかはわからないが、それらが渾然一体となっているからこそいつ見ても楽しい。
そういう意味では、やっぱり竹中直人はピカイチで、これからもますます活躍してほしい。
まだ70歳前後だそうだから、あと20年ぐらいはあれやこれやと演じてくれるだろう。
