
少し前に、「繊細さん」という言葉が流行ったことがある。
繊細さんとは、“非常に感受性が強く敏感な気質を持った人”を指すそうで、五人に一人程度がそれに相当すると言われている。
他人から見ればそうでもなさそうでも実はそうだという人はいるし、逆に、そう見えても案外そうでもない人もいる。
感受性は人それぞれであり、五人に一人といっても、その境界がはっきりしているわけではない。
むしろ、程度の違いとして連続している、いわばグラデーションのようなものだろう。
さらに言えば、何に対して繊細であるかという点も人によって異なるのだから、一概に誰がどの程度であるかを決めることはできない。
新年度となり、新しい職場でスタートする人も多い。
私の職場にも、ずいぶん多くの人がやってきた。
転職してきた人もいるが、その理由はさまざまだろう。
私自身のこれまでの仕事歴を振り返ってみると、強く望んで異動したという記憶は、今の職場を含めてあまりない。
とはいえ、まったく望まないままに流されてきたわけでもない。
結局のところ、なんとか生き延びてきた、というのが実感である。
私のことを適材適所の配置だと考えて、病院の幹部は雇ってくれているのだろうし、同時に、上には上がいるとも思っているに違いない。
人の能力にもまた、明らかな境界はなく、やはりグラデーションがある。
それがその場において、より適しているかどうかもまた一様ではない。
人の才能や気質というものを、こういうものだと決めつけることはできない。
だからこそ、一つや二つつまずいたところで過度に落胆する必要はなく、その場で新たな展開を考えればいい。
新しいスタートを切る人に対してはもちろん、私のような年齢になっても、そうした気概を持って、新年度を迎えたいと思う。