こんな気持ちでいられたら

昭和育ちの病理医。今日も顕微鏡を覗き込みながら、細胞1個1個と会話しています。

お花見と時間の速度

花曇り

このところぐずついた空模様が続いていたが、やっと雨も上がり、お花見がてら朝のアンの散歩で鶴岡八幡宮の段葛を抜けて駅まで歩いた。

鎌倉の桜は5分咲きか、今週末に一気に満開となるだろう。
明後日には友人が家に来るので、ちょうどいいタイミングだ。

今日は3月27日。
早い、早すぎる。

一年の4分の1がもう終わってしまうと焦ったところで、時間の流れそのものが早くなっているわけではない。
その証拠が桜の開花で、人の時間だけが自然の時間に比して早く進むということはないから、結局は気が急いているだけということになる。

大人になると時間の進むのが早く感じられるようになるという。
確かにそうで、そのことに関する研究報告もある。

ただ、それは個々人の感覚の問題に過ぎず、すべての人の時間が加齢とともに同じように短くなっているわけではない。

桜は必ず3月中旬から下旬にかけて咲いてくれる。
ソメイヨシノはクローン植物だから、季節を正しく知らせてくれる。
少なくとも、今年だけ特別に季節の進みが早くなったわけではない。

もし季節の進みが早くなるとすれば、すべてのソメイヨシノの時間が短くなることになるが、人間の場合はそう簡単ではない。

ずいぶん面倒くさいことだなと思いながら、通勤電車の窓から見える桜を見やる。

東京の桜は、ひと足先に今日満開を迎えるという。

クオーツ時計のように正確に時間を示すわけではないが、そもそも時間の進みなど、その程度の曖昧さでいいのではないだろうか。