
久しぶりにタバコを吸っている夢をみた。
子供連れのいる温泉ホテルのようなところで、「タバコを吸ってくる」と、家族に言って外の喫煙所についたところで目が覚めた。
昨日、タバコを吸っていた頃の写真を整理して思い出したのだろう。
楽しかった思い出に、タバコはヤニのようにくっついている。
いくらやめようと思っても、いくら忘れようと思っても、タバコどこまでも私を追ってくる。
私よりもずっと前にタバコをやめていた先輩病理医が、
「タバコをやめる、っていうのは、一生吸わない、ってことなんだよ。
それが君にできるかな?むずかしいよ。」
と言われたことをよく思い出す。

本当にタバコのヤニが脳の中にこびり付いているわけではないが、ニコチンによる快感を脳が忘れることはない。
いま、私がタバコを吸わないでいることができるのは、自分自身の意思、理性によってだが、ちょっとした契機でそれは崩れてしまう。
タバコは悪だという社会的状況が醸成されたからこそできているのだが、一旦そういった歯止めが効かなくなったらどうなるかわからない。
薬物中毒からの更生に挑戦して失敗する人は後を絶たない。
ニコチンなどよりずっと刺激のつよい薬物からの離脱などはより困難だ。
くじけて”どうにでもなれ”という気になってしまったら、もうそれだけで手を出してしまい元の木阿弥となる。
そんなことの繰り返しでやがて廃人に至る。
楽しかった日々の思い出はタバコのヤニにまみれているのだと自覚し、薬物依存症の恐ろしさをしみじみと感じる。
今日も巣篭もりで

