夕方、ホテルの部屋に戻ったと同時に、窓の外からもの凄いスコールの音が聞こえてきた。今の時期、カンボジアは雨季と聞いていたのに、昼間はカラッとした空だったので拍子抜けしていたところだったが、昨日、プノンペン国際空港に着いた時にもすごいスコールだったので、それが二日続いたとなるとやっぱりここは雨季真っ只中の東南アジアの街だと認識する。

当地の病理医および病理技術者育成のお手伝いのために派遣されてきたのが今回の私のミッション。教えなくてはいけないことが山ほどあって、例の夏休みの宿題は完成しないままだったのだけど、とにかく作るだけ作ったパワポのスライドと典型症例のガラス標本を持ってカンボジアにやってきた。
まずは、国立病院の病理部にちょっと挨拶をしてから、唯一の国立大学の医学部に移動して、午前・午後と講義。

講義をしたのはこの国の若手の病理医、というかプロジェクトでお世話になっている日本人医師によると、この国で病理医の必要性が認識されてやっと養成されはじめた病理医の第1期生というすごい人たち。医療に病理医が欠かせない存在だということを理解したということは、この国の医療が進歩しはじめたということを示している。
実際教えてみると、みなさんよくできるし、熱心。さすがは国中の臨床医の期待を集めているだけのことはある。
私の専門領域の病気は知ってはいるけど、実際にないとないのがほとんどで、少なくとも標本を持って行ったのはよかった。

それにしても、英語でコミュニケーションをとりながら教えるというのはとても大変で、さすがにくたびれた。とはいっても、”宿題”が終わっていないので、今夜もこれから明日の準備をしなくてはいけない。まだ、雷がゴロゴロ鳴っている。
まあ、明日は私の最も得意分野なので、今日以上の講義ができるとは思っている。
