こんな気持ちでいられたら

昭和育ちの病理医。今日も顕微鏡を覗き込みながら、細胞1個1個と会話しています。

いい夫婦って、どんな夫婦?

11月22日は語呂合わせで、いい夫婦の日というそうだ。ずいぶん前から妻がそう言っているのは聞いていたが、それは語呂合わせが好きな妻が勝手にそう言っているのだと思っていた。でも最近、テレビなどでも聞くようになるになって、どうもそうでもないということを知った。

いい夫婦の日"をウィキペディアで調べてみたら、1988年に財団法人余暇開発センター(現日本生産性本部)で提唱された日だそうで、30年近い歴史があることになる。妻は30年前から知っていたのだろうが、私は知らなかった。官製記念日でどうもいま一つの感がある。翌日の勤労感謝の日とリンクして有効利用したらいいのにと思うが、どうもそのようなこともない。1999年からは「パートナー・オブ・ザ・イヤー」とかいうカップルを有名人の中から選んで来たそうだが、そのカップルの中には不倫騒動で騒がれている人もいて、なんだかなと思う。

いい夫婦の日

それはさておき、その”いい夫婦”だが、何をもって”いい”と言うのだろう?いい夫婦ってなに?いい夫婦って、どんな夫婦?いい夫婦についての明確な定義がないのに、こんなことを言われても、25年以上なんだかんだと続けて来た夫婦者としては、自分が果たしていい夫婦の片割れを無事務めているのかわからず、プレッシャーがかかるだけだ。

夫婦とは生まれも育ちも全く異なる二人が、偶然(結局は必然なのだが)出会って結ばれてできるもので、その行く末は様々だ。どちらか一方が死ぬまで添い遂げる夫婦もいたら、その前に別れる夫婦もいる。血が繋がっていたら、いつまでも縁を切ることはできないが、夫婦はしょせん他人。簡単に縁は切れてしまう。それだけに、夫婦というか、婚姻関係を続けるには互いの努力が必要になる。

これが職場であれば、初めは一緒に仕事ができて楽しい、幸せだと思っていた上司や同僚がいつの間にかストレスの対象になることがある。そうなるとトラブルが生じたり、誰かがやめることになる。それぞれの人の努力が足りないのだろうけど、努力をする気も最初からないのかもしれない。あんまりわがままな人ばかりが集まると職場は上手くいかない。夫婦も互いにわがままだったりすると、残念ながら長続きしそうもない。離婚が悪いこととは、全く思わないし、むしろ上手くいかないのなら残りの長い人生のためにさっさと別れたほうがいいのだろう。でも、離婚はずいぶんなエネルギーを使う面倒なことのようなので、できたらしたくない、というかされたくない。

夫婦の形を示す言葉に、割れ鍋にとじ蓋というのがある通り、わがまままな連れ合いを包み込む、もしくは連れ合いにわがままをされるのが好きな人などというのもいる。周りから見ると少々心配だけどこういう関係で長続きしている夫婦は結構いる。夫唱婦随という言葉もある。これは婦唱夫随と入れ替えてもいいだろう。夫婦のどちらかの個性があまり強くなく、その分パートナーの個性が強くて、引っ張っていく、のようなイメージがある。個性の強い方が、連れ合いに対して暖簾に腕押しで物足りない、と感じたら終わりだし、逆にそういう人がもともと好きで結婚したのであれば、互いに楽しく幸せにいることができる。

結婚する人が減っているけれど、その理由の一つに、”結婚相手の理想像”というのがあるような気がする。容姿端麗とか頭脳明晰とか稼ぎがある、なんていうものを相手に求めたところで、互いの相性はそんなところにはない。人間性とかそういうわかりやすい言葉では表現できない、はるかに不思議なご縁でくっついているのがいい夫婦なのかもしれない。

いい夫婦の日には、互いのいいところをたたえて、互いの努力をねぎらうのがいいだろう。とすると、勤労感謝の日は夫婦者にとっては夫婦を維持するための努力への感謝の日ともいえるかもしれない。

継続は努力

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