犬の散歩では犬同士の挨拶というのがある。互いの匂いを嗅いだり、じゃれあったりする。それが何度も繰り返されると、互いの犬の名前を覚えて、声をかけるようになる。飼い主同士の挨拶だ。もともと人の名前を覚えるのが苦手な私にはそれが少し苦痛だ。ご近所の犬の名前は覚えているが、表通りより向こう側の家の犬の名前は、よほど特徴がなければ覚えられない。そこで、「ナイトくん、おはよう」と名前を覚えることが上手な人に連れている犬に声をかけられても、名前を呼び返すことができず、気まずい思いをすることになる。それが以前に「お名前、何でしたっけ」と尋ねたことがあるような犬だったりすると、余計に困る。たかが犬の名前だが、侮りがたい。
私は相手の人がそんな思いをすると困るから、「ナイトー、よかったねー」と、自分の飼い犬の名前を呼んで相手にさり気なく(犬の名前を)名乗っているのだが、ほとんどの飼い主はそのようにしてはくれない。結局、「あー、よしよし」などと頭を撫で、手を舐めさせてその場をしのいで、「ありがとうございました。」と、最後まで犬の名前を呼ぶことなく別れる。家に帰って記憶のひだを探しても、わんこの名前を思い出すことはまずない。
それにしても、飼い主の名前は一切関係ないというのも面白い。
こんにちは○○クン
