子供の頃、大人というのは泣かないものだと思っていた。大人になったら、怖いものは何も無くなるのだらか、泣くようなことはあるまいと。
確かに、泣くことはめっきり無くなった。小説や映画でもなかなか泣く機会はない。だが、悲しい気持ちになることはたびたびある。
こんな年になっても、つらいことがあって心が折れそうになる。
子供の頃、大人になったらこんなことにはならないだろうと思っていたのだが。

子供の頃、大人になるということは、強くなることだと思っていたのだが、まったくそんなことはなかった。むしろ弱くなっている。
残された人生はロウソクのように短くなり、体は老い、気力は萎えていくばかり。
気がつけば人生やり残していることのあまりの多さにうんざりする。目の前の仕事すら片付かない。
いったい、いくつになったら、多くの悩みから解放されるのだろう。おそらく、ずっとさまざまな悩みにつきまとわれるのだろうが、いつの日にか、それも生きている間に解放されたいと思うのだが、難しそうだ。


