こんな気持ちでいられたら

昭和育ちの病理医。今日も顕微鏡を覗き込みながら、細胞1個1個と会話しています。

秋本番とキンモクセイ

空がすっかり高くなった。

この時期、朝の通勤時、病院までの道すがらきょろきょろしてしまうことが多い。
すれ違う美人に目を奪われてというわけではなく、キンモクセイの甘い香りに誘われてのことだ。
勤務先の病院は東京のはずれにあり、私は閑静な住宅街の中を片道40分たらず、朝晩のんびり歩く。
遠くからかすかな甘い香りが漂ってくると、香りの元を探してしまうのだ。
キンモクセイの木、普段は何の変哲もない、モサッとした木だし、オレンジの花も小さくて目立たない。
それなのに、秋本番を知らせてくれる甘い香りは素晴らしい。とくに、咲き始めの香りがいちばん良いそうだ。

通勤ルートとしてキンモクセイのある通りを選んで歩いてみると、結構な数のキンモクセイが植わっていることがわかった。
一番の大木は去年こんきもに掲載したもので、5本くらいの大木が寄せてある。このように、数本の木をまとめてあるのをよく見るということは、甘い香りを楽しむためには、数本無いと十分ではないということなのだろう。
それにしても、この辺りは古くてお庭の広いお屋敷が多く、キンモクセイの大木が多い。家を建てたときに一緒に植えたのだろうか。

ここ数日、気温がずいぶん下がってきた上に、空気の乾燥もどんどん進んでいる。
紅葉も少しずつ始まっていて、ハナミズキの葉もずいぶん赤くなってきた。
五感全体で秋を感じることのできる、気持ちのいい季節となってきた。

病院の手前の公園、結構木が多いのだが、ここにキンモクセイがないと思っていた。だが、今年、香りをたよりに探したら、公園の片隅、松の木に隠れるようにしてキンモクセイの大木があった。香りがなければ絶対に気がつくことはなかったに違いない。

同じように、香りをたよりにキンモクセイを探してみると、病院の敷地内、職員宿舎の横にも植わっているのを発見した(勘違いされるといけないので写真は撮っていない)。

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