こんな気持ちでいられたら

昭和育ちの病理医。今日も顕微鏡を覗き込みながら、細胞1個1個と会話しています。

イケてない男

病院からの帰り道、重い足を引きずって歩いていたら、駅の手前の商店街の少しだけ暗いところで、若い女性が一緒にいる同じような年頃の男性に足を見せていた。

通り過ぎる時に聞こえてきたのは、男性の

「え?青(いストッキング)なんだ!」

という声、一瞬の間をおいて、

「これじゃ、アバター女、じゃん?」

すごい。

どういう関係かはわからないが、少なくともその女性はアバター女呼ばわりされようと思って、そんな暗がりで、履いていたストッキングを見せた訳ではあるまい。
ほめて欲しかったのではないだろうか。

その男性、笑いをとろうとして、「アバター」が出たのだろうが、こういうのを「デリカシーがない」という。
笑いをとるのに、自分ではなく、相手の女性をからかっているのは、小学生男子と同じパターンだ。

仮に、「アバターみたいな色だなぁ」と内心びっくりしたにしても、「へー、珍しくない?」ぐらいで踏みとどまるべきだった。

夜の十時に、女性が自分のストッキングの色を、男性にかがませ、確かめさせている状況というのは、めったにない。

そこで「アバター女」。
イケてない男だ。

つい、この間、「なぜ、心と裏腹のことを言ってしまうのか?」を考えたばかりだったので、これはと思って、記事にしてみた。

ところで、あのくらいの年(28才ぐらい)のコロ健が、もしそんな僥倖にあっていたら、どうだったろう?

当時(今もだが)、モテなかったことを思うと、やっぱり、似たようなこと、言っちゃっていたんだろうとしみじみ思う。

20年前にアバターはなかったから、「何?タイツ?怪物くんみたいだなぁ、あ、でもあれは赤か」みたいな。
いつもこんなんでおしまい。
妻と結婚できたのは奇跡としかいいようがない。

あのカップル、あのあとどうなっただろう?などというのは大きなお世話だが、そんなデリカシーのない男であっても意外にモテたりするから、男女の間のことはわからない。

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